良い眠りのための睡眠と覚醒のバランスと睡眠のしくみの基本

 

「昨夜は徹夜でプレゼン作っていたから、今日は眠くてもうダメ~」とか言っている人いませんか?

私たち日本人には「寝ないで頑張る」ことが美徳のような風潮がありますよね。

このように、日本人は世界的に見ても睡眠時間の少ない人種と言われています。

でも睡眠は、健康な人生を送るのに、とても重要な役割を果たしています。

特に健康寿命を延ばすには重要です。

毎日同じ時間に規則正しく寝ることで、成長ホルモンやメラトニンが正常に分泌されます。

つまり、睡眠と覚醒のバランスを維持することがとても重要になってきます。
※すいみん と かくせい 対義語・かくせい=眼がさめている・起きていること

今回は、睡眠と覚醒のバランス・体内時計と睡眠のしくみについての基本知識をご紹介いたします。

睡眠のしくみを知ることで、睡眠障害を回避することができます。

Sponsered Link

睡眠のしくみとは

 

ところで、何故、夜になると眠くなり、朝が来たら目が覚めるのでしょうか?

「そんな事考えたことないから分からない~」・・・でも本当に不思議ですよね。

実はこれ、とても大切な睡眠メカニズムだってこと、ご存知でしたか?

私たちが眠気を感じるとき、身体の中では3つのしくみが働いています。

一つ目は、「睡眠恒常性維持機構」「疲れたから眠る」

二つ目は、「体内時計機構」「夜になったので眠る」

三つ目は、「覚醒調節機構」「眠くならずに起きていられる」

 

1つ目の「疲れたから眠る」


眠気を誘発するしくみである睡眠恒常性維持機構です。

このメカニズムは、睡眠不足が続くと脳内に睡眠物質が溜まり、

覚醒系を抑制することで、睡眠を誘発すると考えられています。

私たちが目覚めている間、脳には疲れが蓄積されていきます。

すると疲労した脳は、回復しようとして休息を取ろうとします。

目覚めている時間が長ければ長いほど脳の疲れは大きくなります。

徹夜をした場合など長時間眠らずにいると眠気は強くなります。

 

二つ目は、「夜になったので眠る」


眠気を誘発するもうひとつのしくみは、体内時計機構です。

通常、私たちは夜になると眠くなり、朝になると目覚めます。

このリズムは体内時計によりコントロールされており、

1日のリズムを概日(がいじつ)リズム(サーカディアンリズム)と呼びます。

体内時計を調節する物質として、メラトニンと呼ばれる脳の松果体から分泌されるホルモンがあります。

松果体(しょうかたい)は、脳に存在する小さな内分泌器である。松果腺 、上生体とも呼ばれる。脳内の中央、2つの大脳半球の間に位置し、間脳の一部である2つの視床体が結合する溝にはさみ込まれている概日リズムを調節するホルモン、メラトニンを分泌することで知られる。(抜粋:ウィキペディア)

暗くなると分泌量が増加し、脳と身体の状態を覚醒から睡眠へと切り替えます。

人間の体内時計の周期は、24時間ぴったりであればよいのですが、24時間~25時間で個人差があります。

体内時計の1日の周期の平均は、実は24時間10分で、24時間にかなり近いそうです。

ただ、これも平均より長い人も短い人もいて、やはり正規分布しています。

ですので、

とりわけ24時間に近い体内時計を持ってる人は、毎日苦労しなくてもおなじ時間に眠たくなって、目覚ましなしでも起きられるそうです。

それにしても、1日10分程度の中途半端なずれがあることになります。

この中途半端な時間のずれを修正してくれるのが太陽の光です。

朝の日光を浴びることで、私たちの体内時計がリセットされ 24時間の周期に合わせているのです。

 

三つ目は、「眠くならずに起きていられる」


目覚めている状態を維持するしくみは、覚醒調整機構です。

目覚めている必要があるときに、脳の活動状態を保つしくみです。

このしくみの調節にはオレキシンという覚醒物質がかかわっており、日中は多く分泌され、覚醒状態が維持されます。

夜になるとオレキシンの分泌量が少なくなり、覚醒状態を維持できなくなるため眠くなります。

起きている時にも覚醒物質が必要なんですね。

Sponsered Link

人間の睡眠と覚醒は、
この三つのしくみにより調整されています。

 

 

睡眠と覚醒のバランスが凄い

私たちは、夜になると当たり前のように寝ていますが、睡眠は、日中の「覚醒」と一体となって作り出されています。

日中に睡眠物質が徐々に溜まっていき、夜に眠るための準備が整います。

そして、夜、眠っている時は、睡眠中枢の活性が大きくなります。

また、

眠っている間に睡眠物質が解放され、

朝になると、覚醒系の神経であるモノアミン神経の活性が大きくなって目覚めます。

このように、睡眠・覚醒は、シーソーのようなバランスで保たれています。

本当に、人間のカラダは凄いです。

しかし、

睡眠不足になると、睡眠物質が充分に解放されないため、

寝覚めた時にすっきりしなかったり、日中に眠たくなったりします。

カラダの中で睡眠・覚醒のバランスを調整するために、重要な役割を果たしているのが「体内時計系」です。

「体内時計」は、脳内の視床下部、視交叉上核(しこうさじょうかく)にあります。

※脳の視床下部にある非常に小さい領域です。

下図の「脳内のイラスト」で出てくる部位のそれぞれの位置を見てください。

このイラストでは小脳側が後頭部になります。

体内時計は、ホルモンの分泌、自律神経、代謝活動に影響を及ぼし、

約24時間の周期リズムをカラダの中に作っています。

その中でも睡眠に関わりがあるのが、

深部体温とメラトニンと言うホルモンです。

深部体温とは「体の内部の温度」のことで、通常直腸や鼓膜の温度を測定します。

深部体温が下降期にあるほど眠りやすく、上昇期には眠りにくくなります。

メラトニンの分泌が高まることで、深部体温が低下し、睡眠傾向が高まり自然な睡眠が始まります。

その流れは次のようになります。

先ず、

太陽の光などの外界の光刺激が目の網膜から入ると、その信号が脳内の体内時計に送られて体内時計をリセットします。

さらに、体内時計は脳の松果体に信号を送りメラトニンの分泌量を調整します。

例えば、

日中の明るい光によってメラトニンの分泌は抑制されます。

逆に夜間には、メラトニンの分泌量が数十倍に増加しますが。

明るい光を浴びてしまうと、メラトニンの分泌は抑制されます。

メラトニンは体内時計によって分泌が調整されていると同時に、

視交叉上核の体内時計やその他のメラトニン受容体に働きかけて、呼吸や脈拍、血圧、体温を調整します。

夜間の休息に適した生理的変化をつくっているため、睡眠と関わりの深いホルモンと考えられています。

実際に、睡眠障害の患者さんでは 一般健康成人に比べて、夜間の血中メラミン濃度が低下していることが報告されています。

メラトニンの分泌量は年齢ともに低下していき高齢者におけるメラトニン分泌量は、男性よりも女性の方が低下しているとの報告もあります。

このように加齢とともにメラトニンの分泌量が低下することは、体内時計の働きにも影響を及ぼす可能性があると考えられます。

つまり、

体内時計が正常に機能することで、睡眠と覚醒が一定のリズムで繰り返されています。

しかし、

体内時計のバランスが乱れると、入眠時間が遅くなったり、日中の覚醒レベルが低下するなど睡眠・覚醒リズムのズレを生じたり、睡眠・覚醒の振幅が小さくなると考えられます。

最適な睡眠時間は7時間です。足りていますか?

起床時間、就寝時間は一定ですか?不規則になっていませんか?

良質な睡眠を得るのに必要な時間は7時間です。24時間のうち7時間は眠ることです。

 

睡眠の効果

 

 

1. 脳と体の疲れを取る


人の脳は常に活発に活動していて、沢山のエネルギーを消耗しており、その疲れを取るために睡眠が必要です。脳の疲れを取るには、体のそれよりも数倍の睡眠が必要だとも言われている程

 

2. ストレスの解消


ストレスを感じる状態は、脳がつかれている状態です。睡眠を取ることで、疲れた脳を休ませることができるため、睡眠は非常に効果的なストレス解消法です。睡眠により脳を休ませることで、ニューロンの興奮を抑えて修復されるので、ストレス緩和に効果があります。
睡眠の慢性的な不足は、ストレスが徐々にたまり、うつ病をはじめとする精神疾病や、不眠症などの睡眠障害を発症することにもつながります。

3. 病気の予防


睡眠を促すホルモンのメラトニンには、免疫力を向上させる効果があります。睡眠時に白血球・赤血球・リンパ液が作られ、カラダの免疫力を高める働きがあります。よく眠ることで、新しい血液を作り、代謝を促す成長ホルモンが分泌され、心臓も休ませることが出来るため、様々な病気の予防になります。 

 

4. 記憶の定着・学習効果の効率化


人の脳は睡眠中に、その日に起こった事や、学習したことを整理し、記憶として留めておく必要がある情報を定着させていると考えられています。睡眠時に多く出るシータ波には記憶・学習機能が向上する効果があると考えられています。この効果はノンレム睡眠のときに発揮します。寝入りから3時間ほどが特に質の良い眠り(ノンレム睡眠)となるので、少なくても3時間以上は睡眠をとる必要があります。

 

5. 体の成長や老化の防止


睡眠中は成長ホルモンが分泌される貴重な時間です。成長ホルモンには、脂肪を燃焼させる効果があります。
子どもにとっての成長ホルモン不足は、正常な身体の発育の阻害に繋がります。
大人にとっての成長ホルモンの不足は、ズバリ「老い」につながり、肥満体質やメタボ、様々な生活習慣病(動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病など)にもかかりやすくなります。

 

6. 美肌効果


成長ホルモンには、肌のターンオーバーを促す働きがあります。新陳代謝がよくなるため、肌荒れなどが改善され、美容効果が期待できます。
特に、成長ホルモンは、「眠りに入った直後に現れるノンレム睡眠時に特に分泌量が多い」という特徴があるます。つまり、入眠後3時間とも言われるこの時間帯の睡眠の質の向上に努めましょう。

 

参考図書:
『睡眠とメンタルヘルス』(ゆまに書房)監修/上里一郎 編 /白川修一郎
睡眠のはなし – 快眠のためのヒント (中公新書) 内山 真 (著)
8時間睡眠のウソ 三島 和夫 (著), 川端 裕人 (著)

 

まとめ

睡眠中は成長ホルモンが分泌される貴重な時間です。

睡眠の基本知識を理解して、健康睡眠を実践しましょう。

では、毎日元気に過ごしましょうね。

そして健康寿命を延ばしましょう。

持続的に健康を維持するための三本柱は、

1. 体に適切な栄養を与え、

2. 定期的に運動をし、

3. 日常的なストレスを解消する努力を怠らないことです。

この三本柱を実践する健康方法をいろいろな視点からお伝えすることのが本サイト使命です。

では、最後までお読みくださり、ありがとうございました。

健康ネットサンク     代表ノマー

Sponsered Link

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ