「肩こり」は首の神経系障害の「首こり」で原因は首姿勢

 

首の骨には脊髄神経という重要な神経の束が通っています。

首に何らかの不調が起こると、この神経を圧迫して体にしびれが出たり、周辺の筋肉を緊張させて肩こりや四十肩、五十肩につながったり、また、不眠症や頭痛、腰痛、不定愁訴※(ふていしゅうそ)、うつ病など、一見 首とは関係なさそうな症状の原因が、実は首にあつたというケースもあるそうです。

だから、首を健康にすることが大切なのです。
※不定愁訴※(ふていしゅうそ)明確な原因がないのに、肩こり・目まい・腰痛など体の不調を訴えること

今回は、肩こりは首の神経系障害の最初の症状であり、実際は「首こり」だと言うことを簡単に理論的にご紹介いたします。


原因が解るときっと正確に対処できるので、肩こりでお悩みの方々に多少でもお役に立てれば幸いと思います。
 

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首の構造と首の役割を理解する

視覚・聴覚・嗅覚という感覚器を備えている頭部を支えているのが「首」です。首の働きを理解することで、姿勢の維持にどのように活かされているかがわかるようになります。

首と首姿勢がどうしてそんなに重要なのか?

それを知るために、少し首の骨の構造についてご説明したいと思います。

出典:メディカルイラスト図鑑より

首の骨といっても独立して考えるのではなく、背骨の一部と捉えたほうがわかりやすいかもしれません。

骨盤から首までを支えている骨のことを、一般的に「背骨」と呼んでいますが、

その構造は椎骨(ついこつ)という小さい骨と、その問の椎間板が連続的に積み重なってできています。

この椎骨は上から7個が頸推(けいつい)(首の骨)、

12個が胸椎(きょうつい)

5個が腰椎(ようつい)です。

 

 出典:メディカルイラスト図鑑より

 

 出典:メディカルイラスト図鑑より

 

 出典:メディカルイラスト図鑑より

 

上のメディカルイラスト【脊髄神経の皮膚分節 デルマトーム図】を見てください。

頸椎の様子を表したものです。

7個の骨の中を、脊髄神経という大切な神経の束が通っています。

この脊髄神経から枝分かれし、7個の頸椎の問にある椎間孔から一対ずつ伸びている計8本の細い神経を、頸神経(CI~C8)と呼びます。

頸神経は頭や首周り、肩甲骨の周囲、腕や指先まで、左右に分かれて運動、感覚、痛みなどをつかさどっているのです。

首は、頭部と胸部をつなぐ架け橋となっています。

そこには脳と内臓をつなぐ神経、脳に酸素・栄養を送る頚動脈、空気を送り込む気管など、重要な組織が密集しています。このため首の痛みを放っておくと、重大な疾病につながることもあります。

首の骨と多数の筋肉によって頭部を支えながら、頭部の動き(上を向く・横を向く)を可能にしているのもこの首の役割です。

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首の姿勢

首の姿勢と言うのは、真っすぐ立ったり座ったりしている時の首の傾きの事です。

壁に背中をつけて立った時、無理をしなくてもお尻・背中・後頭部が壁につく方は、首の姿勢が良いので問題ありません。

しかし、意識すればつく方、無理をすればつく方、無理をしてもつかない方は、改善が必要という事になります。

悪い姿勢になっている時、首は不自然な角度で傾くことになり、頸神経は根元で圧迫されます。

神経が圧迫されて障害を受けたり、首周りの筋肉が緊張して血流が悪くなったりすると、しびれや痛みなど様々な不調が引き起こされてしまいます。

ただでさえ、首は重い頭を支えるため負担がかかりやすく、非常に繊細な部位と言えます。

正しい姿勢を保って首の負担を軽減することは、肩こりなどの不快な症状を改善することは、健康寿命を延ばすことにつながります。

 

首はデリケートな箇所

首は血液、気道、食道、神経、頸椎(骨)、自律神経、リンパ、甲状腺と体調を整え生命を維持するための膨大な物資と情報が行き来する大通りなのです。

首は頭の重量を支え、脳から下って体に至る神経束を保護して、さらに、首は高度に柔軟であり、頭部を回し、あらゆる向きに曲げることができる。

脊柱は、頂上から底部まで、前方に向かって凸なかたちでゆるやかに(S字状に)湾曲する。その湾曲は脊柱のあらゆる曲線のなかでもっとも目立たないものである。

と解剖学的に説明されています。私たちはこのように非常に重要なところに負担をかけています。

以前、神経科の先生から伺った話では、「首は素人考えで揉んではいけない」と言うことです。

素人が知識もなく力を入れて揉んだり叩いたりすると、首の血管や神経束などを痛める可能性が高く、体調を崩したり、脳梗塞・くも膜下出血などを発症させるリスクがあるそうです。

床屋・美容室・整体などでのマッサージとか、マッサージ器でも首はいじらない方がいいので、「首回りのマッサージはお断りをした方がいい」とおっしゃっていました。

 

頭の傾き角度と首への負荷

日々の生活が首に与えている負担は大変なものです。

2本足で活動する私たち人間は、4足歩行の動物と違い、重い頭を支えるため背骨に大きな負荷がかかっています。



出典:メディカルイラスト図鑑より


人間の頭の重さは成人男性で約5~7㎏、女性は約4~6㎏。

真っすぐ正しい姿勢で立ち、体の中心軸の真上に頭が乗るようにしていても、頸椎には常に4~7㎏の頭の重みがかかっているのです。

ところがこれが、ほんの少しでも中心軸からずれてしまうと……。

なんと、頭が体の中心を通る軸からほんの7㎝ほど前に出るだけで(角度30度くらい)、通常の約3倍、つまり約18㎏の負担が首にかかると言われています!

18㎏の荷物を段ボール箱に入れて、持ち運ぶことを考えてみてください。

ほんの少し頭が前に出るだけでこれだけの負担がかかるのですから、思い切り首を下に曲げたり、うつむきながら長時間作業をしている時の首への負担は……考えると恐ろしいですよね。

普段、どんなに真っすぐな姿勢を心がけていても、私たち人問は15~20分程度しか同じ姿勢を保つことができません。

ほんのちょっとした動きによって姿勢は簡単に崩れてしまいます。
思っている以上に毎目首は酷使されているのです。24時問どんな時でも、首への負担を軽くするよう、意識することが大切です。
正しい姿勢時でも、首には負担がかかっています。頭が体の中心軸の真上にある正しい姿勢の時でも首には約4~7Kgの重さが!ここから頭がずれると負担が大きくなってしまいます。
日常生活での様々な作業姿勢から頭が体軸からずれると負担はさらに大きくなります。

例えば、皿洗いはキッチンの台の高さに合わせて腰をかがめるため、頭が前に出てしまい体の軸からずれてしまいます。

また、ベッドやダンスの下など低いところに掃除機をかける時、立つたまま腰を曲げてしまうと、終始うつむいた体勢になります。

 

肩こりの原因は首にあります

肩こりは国民病と言われています。

多くの現代人が、肩こりに悩まされています。若い女性でも、全く肩がこらないという人は少数派。

小中学生までもが肩こりや頭痛を治したいと整形外科クリニックを受診します。

今や肩こりは国民病なのです。

この肩こりは、肩の関節や肩甲骨に異常があって起こると思っている人もいるようですが、たいていの場合そうではないようです。

前出で申し上げましたように、首から出た神経は、首すじ、肩の後ろ、肩甲骨周辺、腕から指先まで通っています。

首の神経の症状として首、肩、肩甲骨周りの筋肉が緊張したり、痛みが出たりするのが、いわゆる「肩こり」。

つまり、肩こりは首の神経系障害の最初の症状であり、実際は「首こり」なのだそうです。

 

一過性の肩こり

寒さや風邪、徹夜した後の肩こりなど、明らかに原因がある場合は、一過性の肩こりで、その原因さえ解消されれば、自然と治っていくものです。一時的に症状があっでも、その後おさまる場合、ほとんど心配いりません。

危険な肩こり

気をつけなければいけないのは、特に原囚があるわけではないのにだんだん悪くなって慢性化する肩こり。

徐々に痛みがひどくなり改善されない場合、深刻な病気が隠れている恐れが。

また、一気に痛みが発症しその後もずっと続く場合も、病気が隠れている恐れあります。

ただの肩こりだと甘く見ていたら、日に日に痛みがひどくなり、

体がしびれてきてものが持てなくなったり、頭痛やめまい、吐き気を引き起こすことも。

深刻な病気が隠れているかもしれないので、早めに医師に相談しましょう。

 

参考書籍

睡眠姿勢革命 MAKURAinBEDがヒトの一生を変える
「16号整形外科」院長で医学博士 山田 朱織 (著)

枕を変えると健康になる 「手づくり枕」で頭痛、肩こり、不眠は治る
「16号整形外科」院長で医学博士 山田 朱織 (著)

 

まとめ

 

人間のカラダは本当に凄いですね。

そして医学を取り巻く専門分野も人間が解明している。凄いですね。

肩こりは首の神経系障害の最初の症状であり、実際は「首こり」だったのですね。

理論的に原因が解ると正確に対処できるのでいいですね。

肩こりがなかなか改善しないと感じている場合は、普段の姿勢を確認してみてください。

頭の位置が首から肩にかけての負担になっていることを認識して、座り姿勢・立ち姿勢を意識的に変えていきましょう。

肩こりの予防と治療は、やはり正しい首姿勢を整えることから始まります。

首まで湯船につかって首と肩の血流を良くするのもオススメです。

イラスト図のように、エクササイズで姿勢を整えるトレーニングは更に効果的なのです。このトレーニングは次回ご紹介いたします。

では、毎日元気に過ごしましょうね。

そして健康寿命を延ばしましょう。

持続的に健康を維持するための三本柱は、

1. 体に適切な栄養を与え、

2. 定期的に運動をし、

3. 日常的なストレスを解消する努力を怠らないことです。

この三本柱を実践する健康方法をいろいろな視点からお伝えすることのが本サイト使命です。

では、最後までお読みくださり、ありがとうございました。

健康ネットサンク     代表ノマー

 

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