セロトニンの役割を感情物質・腸内環境・睡眠セロトニンからご紹介
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セロトニンとは
セロトニン効果とは
感情をコントロールし
自律神経を整え,
腸内環境を整え,
睡眠と体内時計を整えます。
人は誰しも幸福でありたいと願います。
何をもって幸福と思うかは人それぞれいろいろですが、
実は、 人の「幸福感」と腸には深い関係があることをご存知でしたか?
それはドーパミンとセロトニンという幸せのホルモンと言う脳内物質なんです。
有名ですから聞いたことがあると思います。
ズバリ!『幸福感』を得られるのは脳内物質のおかげなのです。
今回は、「セロトニンとは?」という基本情報から最新情報。
セロトニン効果を「感情」「腸内環境」「睡眠」の3つ側面からご紹介いたします。
セロトニンシリーズ
1本記事
2トリプトファン食材でセロトニンを増やす方法と食べ物をご紹介
3セロトニン量が少なくなる不足原因とセロトニン不足の症状をご紹介
4感情物質セロトニンを鍛えるはストレス・不眠の解消から
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目次
セロトニンとは何?
「感情」「腸内環境」「睡眠」の3つに大きな影響を与えている『神経伝達物質』のことを言います。
セロトニンとは感情をコントロールし自律神経を整える
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セロトニンとは『三大神経伝達物質』
セロトニンは「5-水酸化トリプタミン」と呼ばれ、アミン系の化合物になります。
セロトニンは、快楽や喜びの感情を司るドーパミンと怒りや不安の感情を司るノルアドレナリンと並び、三大神経伝達物質と呼ばれています。
セロトニン=精神の安定、意欲
ドーパミン=快感、喜び、攻撃
ノルアドレナリン=不安、恐怖、怒り、意欲
3つの神経伝達物質のなかで、セロトニンはブレーキ役を担当しています。
たとえば、
ノルアドレナリンが過剰になると不安や恐怖に敏感になりますが、
それをちょうどいい具合にコントロールするのがセロトニンなのです。
脳の感情面などに大きな影響を与える物質で、
脳内で分泌されるホルモンの一種です。
セロトニンは、
この二つの神経伝達物質を制御し、
精神を安定させる働きがあります。
自律神経である「交感神経」と「副交感神経」のバランスが保たれるように、
必要以上に分泌されるのを制限して、
感情をコントロールし、自律神経を整える役割を持っています。
例えば
「ノルアドレナリン」や「ドーパミン」などのホルモンの交感神経は、『行動・興奮の神経』で、身体を活発にし、感情を高めるときに多く分泌されています。
「アセチルコリン」のホルモンなどの副交感神経は、『休息・落ち着きの神経』と呼ばれ、心臓の活動を抑制して感情を鎮めるとき多く分泌されています。
これらのホルモンは、一生涯、分泌が続きます。
しかし、
必要以上に分泌されると「興奮した状態が続き過ぎたり」、
逆に分泌が少なすぎると「感情を表に出せなくなる」といった
弊害が出るのでセロトニンで分泌量をコントロール制御しています。
神経伝達物質の種類は100種類以上あると言われていますが、セロトニンはその中の1つです。
その他の神経伝達物質をご紹介(有名物質を参考例に)
アセチルコリン:
副交感神経系や運動神経の末端から放出される神経伝達物質です。
運動機能を司る骨格筋や心筋、内臓筋などに働いて、それぞれの筋肉を収縮させたり興奮させます。
また、記憶や認知などを司る脳の海馬の働き、血圧、脈拍、睡眠などにも関与しています。
グルタミン酸:
アミノ酸として広く食品に含まれているほか、体内では神経伝達物質としても作用しており、最近ではうつ病など精神疾患への関連も指摘されています。
γアミノ酪酸(GABA):
γ-アミノ酪酸(ガンマアミノ酪酸)は、「GABA」や「ギャバ」とも呼ばれ、グルタミン酸とともに大脳、小脳の有髄神経から分泌される抑制性の神経伝達物質です。
ノルアドレナリン:
ノルアドレナリンはストレスに反応して脳内で分泌される神経伝達物質であり、同時に副腎髄質ホルモンでもあります。
ノルアドレナリンの基本的な効果は、交感神経系に作用して、心身の覚醒や興奮と、集中力や判断力、身体能力を向上させることです。
ドーパミン:
ドーパミンは快感、やる気、学習能力、運動機能や記憶力といった働きを司る「報酬系」と言われる神経伝達物質です。ドーパミンは、ストレスホルモンとして知られる、「ノルアドレナリン」や「アドレナリン」の前駆体(生成される前の段階にある物質)でもあります。
ヒスタミン:
アレルギー免疫系に強い関わりがあり、免疫系からの命令を、伝達する物質のひとつです。
セロトニンとは、感情のコントロールから腸内環境、そして睡眠まで、身体のほぼすべてを管理しています。
セロトニンが不足すると、身体の秩序がどんどん乱れ、不調として現れます。
セロトニンは腸内環境を整える
セロトニンとは「幸せホルモン」気分に良い影響を与える物質のように呼ばれていますが、これはセロトニンのはたらきのごく一部を表しているに過ぎません。
セロトニンが気分に影響を与える物質であるのは確かですが、気分以外に作用している量の方が圧倒的に多いのです。
セロトニンはそれ以外にも多くの作用を持った物質です。
『腸内セロトニン』
通称『腸内セロトニン』と呼びますが、「腸内環境を整える」という働きだけでなく、多くの健康とつながっています。
私たちの体の中には約10mgほどのセロトニンがあり、様々なはたらきをしています。
セロトニンというと脳に関係する物質だと考える方が多いですが、実はセロトニンの大部分は消化管に存在しており、体内のセロトニンの90%が消化管にあります。
次に多いのは血液中の血小板内で、ここには約8%のセロトニンが存在しています。
そして、体内のセロトニンのうち脳に存在するのは1~2%ほどに過ぎません。
セロトニンの体内分布
腸内に90%
腸管ではセロトニンは主に消化管の運動を促す作用があります。
腸のぜん動運動に作用し、消化を助けて整腸作用があります。
血液中に8%
血小板のセロトニンは、血小板に収納され、血液の循環を通じて体内を巡ります。
血小板のセロトニンは、主に止血作用(血を止める作用)を持っています。
血管が傷ついて出血した時に、セロトニンが血小板から放出される事で血管が収縮します。
これによって、出血が止まりやすくなります。
この収縮作用が偏頭痛の原因の一つであるとされています。
脳内に2%
2%が脳内の中枢神経に存在しており、この脳内の僅か2%のセロトニンがヒトの精神面に大きな影響を与えていると考えられています。
脳においてセロトニンは、神経伝達物質としてはたらいています。
神経伝達物質とは、神経から神経に情報を伝えるために分泌される物質です。
神経と神経の接合部は「シナプス」と呼ばれますが、このシナプス内に神経伝達物質が分泌される事で神経は別の神経に情報を伝えています。
セロトニンの働きと効果
1. 体内時計の調節と覚醒作用
詳細は「セロトニンは睡眠と体内時計を整える」
下記の次項を参照してください。
2. ノルアドレナリンを制御
怒りや不安の感情を司るノルアドレナリンを調整
セロトニンが欠乏すると、ノルアドレナリンの作用が強まり、
キレやすくなったり、攻撃的な性格になったりします。
3. ドーパミンの抑制
快楽や喜びの感情を司るドーパミン による過度の
衝動的な欲求を抑制し、食欲や性欲も抑制します。
食べ過ぎ、ギャンブルやアルコール依存を抑制する
効果があります。セロトニンが正常に分泌される
ことで、健全な精神が保てます。
4. 精神的バランスを保つ
ノルアドレナリン や ドーパミン の働きを適度に保ち、
不安やイライラを抑え、精神状態のバランスを保ちます。
セロトニンが欠乏と、精神的に不安定なり、
うつっぽくなり、キレたり、落ち着きがなくなる。
5. 痛みを感じにくくする
セロトニンは痛覚を痛みを感じにくくする働きがある。
6. 記憶力や学習能力に関与
記憶の形成に関与しているθ(シータ)波の出現を抑制して、
印象深い情報や必要な情報を記憶させます。
7.運動機能に関与
咀嚼・呼吸・歩行のような反復運動をスムーズに行うために働きます。
姿勢筋や抗重力筋に作用して、姿勢をよくする作用がある。
表情筋に作用して表情を豊かにさせる作用がある。
8. 呼吸
呼吸時の気道支える筋肉は、起きている時は、
セロトニン神経を介して制御されています。
脳腸相関
関連記事:腸が「第二の脳」の理由と腸内フローラ
腸が「第二の脳」と呼ばれている理由は、
腸内と脳内のセロトニンに強いつながりがあり、脳内の分泌が悪いと腸内環境も悪くなります。
脳腸相関といい、
腸の状態が脳の機能にも影響を及ぼすことを意味しています。
このように密接に関連している脳と腸ですが、
最近では、病原菌だけでなく腸内に常在する細菌も脳の機能に影響を及ぼす、という研究が注目を集めており、
「脳-腸-微生物相関」という言葉も提唱されているそうです。
セロトニンは女性ホルモンの影響を抑制する
セロトニンの分泌が良いと、
女性ホルモンの影響からくるホルモンバランスの乱れが整い、
「更年期障害」や「※月経前症候群(PMS)」「不妊」が起きにくくなります。
※生理前になると、下腹部痛、肩こり、頭痛、便秘、胸のはりなどに加えて、イライラ、憂うつ、集中力減退などの精神的変化を感じることがある。
女性なら誰にでも起こりうるもので、女性の93%が何らかの不快感を訴えているという調査結果もあります。
女性ホルモンであるエストロゲンの分泌は、セロトニンの分泌と比例関係があるとされています。
つまり月経前にエストロゲンが減ってしまうことによって、セロトニンも減ってしまうという状態です。
エストロゲンの減少は、セロトニンの減少を招くということは分かっています。
そのため、
女性ホルモンの乱れを防ぐことが、セロトニン減少を防ぐことにつながっています。
「冷え性」「便秘」「女性特有のPMS(月経前症候群)」や、最近注目される「産後うつ」なども、
ストレスで脳内セロトニンの不足が関係していると考えられています。
また、セロトニン分泌量を増やすことによって、
エストロゲンの分泌量が増えてくるという研究結果もあります。
セロトニンは睡眠と体内時計を整える
参考記事
良い眠りのための睡眠と覚醒のバランスと睡眠のしくみの基本
睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」の分泌を良くします。
『セロトニン 睡眠』
セロトニンは体の中で「メラトニン」という眠りを誘う睡眠ホルモンに変化します。
そのためセロトニンが不足する事で安眠がしにくくなり、睡眠不足に陥りやすくなったり、その結果として生活サイクルが崩れやすくなったりします。
メラトニンは、脳内の松果体(しょうかたい)という器官から分泌されるホルモンの一種です。自然な眠りに誘う、という誘眠作用に非常にすぐれていることから、「睡眠ホルモン」と呼ばれています。
夜眠る時
私たちのカラダを眠りに適した状態にするには
1. 深部体温を下げる。
「体の内部の温度」を下げる。脳は一日中働きっぱなしなので、その状態を寝てる時も続けてしまうと、脳がダメージを受けてしまいます。
2. 呼吸や脈拍、血圧を低くする
3. 副交感神経を優位にして、気持ちを落ち着かせる。
これらの作用をメラトニンがしてくれて、ヒトを睡眠へと誘います。
メラトニンは副交感神経を優位にして睡眠を促進させますが、メラトニンのもととなるのはセロトニンです。
そのため、メラトニンの量を増やすためにはセロトニンの量を増やして、かつ、分泌を活発にすることが重要となります。
昼間の活動と夜の睡眠の密接な関係
昼間の活動と夜の睡眠は、密接な関係にある健康な毎日を過ごすには、いい睡眠が欠かせません。
ここでも、幸せ物質セロトニンが関係しています。
朝、目覚めてから14~16時間程度経つと、体内時計から指令が出てメラトニンが分泌され始めます。
前出の通り、メラトニンは自然な眠りを誘う「睡眠ホルモン」です。
メラトニンはセロトニンから生成されるため、セロトニンが日中作られないとメラトニンも生成されず、自然な眠りにつけません。
昼間、元気に活動するためにはセロトニン、
夜間、自然に眠くなるにはメラトニン、
この2つの物質が体内で正しく作られてこそ、
幸せで、
たっぷり睡眠がとれた健康的な毎日が送れるのです。
そのために、
食物繊維をたっぷりとる食生活を心がけ、
腸内細菌を増やすことが大切です。
まとめ
腸内細菌が少ないとトリプトファンの吸収が悪く
ドーパミンとセロトニンは増えません。
食物繊維をたくさん食べましょう。
なぜ食物繊維が大事かというと、
食物繊維は腸内細菌が好んで食べるエサなのです。
エサをたくさんとれば、腸内細菌が増えていきます。
たくさん増えた腸内細菌がドーパミンとセロトニンの前駆体を
腸内でたくさん合成してくれます。
では、毎日元気に過ごしましょうね。
そして健康寿命を延ばしましょう。
持続的に健康を維持するための三本柱は、
1. 体に適切な栄養を与え、
2. 定期的に運動をし、
3. 日常的なストレスを解消する努力を怠らないことです。
この三本柱を実践する健康方法をいろいろな視点からお伝えすることのが本サイト使命です。
では、最後までお読みくださり、ありがとうございました。
健康ネットサンク 代表ノマー
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