食中毒の予防は原因物質から学ぼう


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③.自然毒性食中毒

動物や植物が本来持っている有毒成分を人が食べることで起こる食中毒。

 

動物性

良く知られているのがフグ中毒です。フグの場合、卵巣や肝臓に含まれているテトロドトキシンという毒が食中毒を引き起こします。フグを食べた場合の症状は、食後20分~3時間ほどの間に、舌の先や唇にしびれが出て、その後嘔吐手足のしびれ、言語障害や呼吸困難を起こし、最悪死に至るケースもあります。
魚介類の殆どの毒物質はプランクトン(有毒渦鞭毛藻)類に由来し、生物濃縮作用により摂食した生物に蓄積され毒化する。従って、フグも有毒プランクトンを含まない餌を与えれば、無毒フグとして成長するそうです。
貝類の場合は、4~9月に発生しやすいホタテガイやイガイ、初夏に発生しやすいムラサキイガイ、コタマガイなどが食中毒の主な原因になります。●予防
フグは専門的な知識を持ち、資格を持った調理人が調理したものだけを食べる。

植物性

毎年、春と秋に自然毒による食中毒の報告を耳にします。キノコ類による食中毒がとても多くて、自然毒を含む植物のほとんどが90%はキノコによるものだそうです。植物が毒素を持つ目的としては、種子・若芽・実が動物や昆虫や鳥類などの餌となることを抑止することが目的とされている。致死性の物質から、下痢程度の症状で済むものまでとても幅が広いです。
毒きのこや毒草は食用と見分けにくく、散策で摘んで食べてしまうことが原因です。
きのこ類を食べた場合の症状は食後10分~3時間ほどの間に嘔吐、下痢を起こします。
きのこの種類によっては肝・腎機能障害・異常興奮・幻覚を起こすものもありますのでご注意ください。
その他例えば、
しいたけに似たツキヨタケ、シメジに似たクサウラベニダケ、イッポンシメジ。
山菜によく似たハシリドコロやトリカブト、オオハギボウシ、
大葉に似たチョウセンアサガオなどによるものです。
また普段食べているジャガイモの芽や青梅の種子、ぎんなんでも食中毒を起こすことがあります。
ジャガイモの芽は調理する時に取りましょう。
青梅も食べると危険です。子供の手の届くところに置かないことです。

●予防
素人判断で摂って食べることは避けるのがベスト。
素人が摘んだきのこや山菜は食べない。
きのこなどは毒があるかどうかを見分けるのは大変危険なので、専門知識にある人に確認しましょう。
青梅も食べると危険です。子供の手の届くところに置かないこと。
ジャガイモの芽は調理する時に必ず取りましょう。

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④.化学物質性食中毒

化学物質を誤って食べる事に起きる中毒様症状です。自然毒食中毒の種類に分類されます。
化学性食中毒とは食品あるいは食品原料に本来含まれていない有害化学物質を摂取することによって発生する食中毒。細菌性食中毒に比べて発生率は少ないが、発生すると大規模な事件に至ることが多いです。
鮮度が落ちてヒスタミンを多く蓄積した魚を食べることで食中毒を起こします。主な原因となる魚は、まぐろ、いわし、さんま、さばなどの青魚です。ヒスタミンは、これらの魚を室温に放置することなどによって、細菌が増殖し、それにともなって魚肉の中で生成されます。金属による中毒は、銅やスズによるものが代表的です。調理器具に使われている銅や、スズの溶出が原因になります。また、農薬や洗剤の誤飲による中毒もあります。

●予防
銅製の調理器具を使うときは、サビや大きな傷がないか確認したうえで使い、長時間食品を入れたままにしないように注意しましょう。
鮮度が落ちた青魚を食べることで起こるヒスタミン中毒を避けるには、魚を低温保存し、早く食べることが一番です。しかし、まれに流通の段階でヒスタミンが蓄積されていることがありますので、食べたとき舌先にピリピリとした刺激を感じるようなら、食べるのを止めましょう。

 

⑤.寄生虫食中毒

食品には、いろいろな種類の原虫や寄生虫がいることがあります。適切な処理をされていない魚介類などを生で食べて寄生虫に感染した例が報告されています。
サケ、タラ、サバなどの海産魚や、イカなどを寿司や刺身などで生食すると、アニサキスに感染することがあります。
また、最近、これまで食中毒の原因として知られていなかった寄生虫が、ヒラメや馬刺しによる食中毒の原因となっている可能性が高いことがわかりました。
どじょうやサワガニなどの淡水産の魚介類にも、寄生虫がいる可能性が高いです。
豚肉や豚のレバーにいる寄生虫には注意しましょう。

 

アニサキス・・・(感染患者数の第13位)

タレントの渡辺直美さんやお笑いコンビ「品川庄司」の庄司智春さんが感染したことで有名です。「テレビ番組のロケでサケイクラ丼を食べて(アニサキスが)入っちゃった」という庄司さんは、お昼に食べて、夜中の3時くらいにおなかが痛くて起きたそうです。病院で、鼻から内視鏡を入れて、ハサミみたいなものを入れて胃の中のアニサキスを取るので、かなり大変だったようです。テレビ番組の再現で“痛々しい”症状について語る腹痛の様子がいたそうで恐怖でした。回虫目アニサキス科アニサキス属に属する線虫です。
わあ~!!! キモイ!!! こんなのがお腹にいたら頭がおかしくなります。
サバ、サケ、アジ、イカ、イワシ、サンマなどに幼虫が寄生する寄生虫です。

●菌の生息分布
生息池:海洋。成虫は海産哺乳類が最終宿主で、腸管に寄生している。オキアミなどの体内で感染性を持つ第3期幼虫。魚類やイカの体内で更に成長する。
●主な原因食品
アニサキスが寄生した魚の生食で起こします。体長2~3㎝の太い糸状の線虫幼虫で、目で見ることができますが、筋肉に移動すると、見つけるのは容易ではありません。
●主な症状
アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こします。
胃アニサキス症では激しい腹痛、悪心、嘔吐を起こします(胃アニサキス症)。激しい腹痛、腹膜炎症状を起こします(腸アニサキス症)。
●潜伏期
通常は、2~8時間後に起きます(胃アニサキス症)。
10時間以上過ぎてから起きます(腸アニサキス症)。
●回復
胃アニサキス症では、内視鏡で虫体を摘出することが確実な治療法です。胃アニサキス症の場合、内視鏡で虫をつまみ出した瞬間、嘘のように痛みが消えます。鎮痙薬などの対症療法を行いながら幼虫が死亡、吸収されることによって症状が緩和するのを待つ。アニサキスの幼虫は人の体内では成虫に発育することができないために、時間が経てば治まります。
●予防
魚を購入する際は、新鮮な魚を選びましょう。ま丸ごと1匹で購入した際は、速やかに内臓を取り除いてください。

内臓を生で食べないでください。目視で確認して、アニサキス幼虫を除去してください。
※一般的な料理で使う程度の食酢での処理、塩漬け、醤油やわさびを付けても、アニサキス幼虫は死滅しません。

アニサキスの終宿主
アニサキスの成体はクジラ、イルカなどの海産哺乳類が最終宿主で、腸管に寄生している。産卵された卵は糞便とともに海中に放出され、オキアミなどの体内で感染性を持つ第3期幼虫まで発育する。甲殻類が捕食され、中間宿主である魚類やイカの体内で更に成長する。寄生された魚類やイカがクジラやイルカに食べられると成虫になる。アニサキスに寄生された魚類やイカをヒトが食べても、ヒトの体内では成体になることはできないので、産卵もされない。

 

クドア・セプテンプンクタータ・・・(感染患者数の第8位)

 

クドア属の一種類で、ヒラメの筋肉に寄生します。非常に小さい胞子ですので目では見ることはできません(約10マイクロメートル)。大量に筋肉中に寄生していると人に症状を起こします。クドアによる食中毒の発生は、冬から春に少なく夏場に多くなっています。

●菌の生息分布
海洋 ヒラメに寄生
●主な原因食品
ヒラメの生食(刺身等)で起こします。
●主な症状
激しい嘔吐と下痢を起こします。一過性のため症状が長く続くことはありません。
●潜伏期
原因となる食品を食べてから数時間(早い場合は1時間)と比較的短い時間を経て起こります。
●回復
症状は軽度で、速やかに回復します。

●予防
-20℃で4時間以上の冷凍、または、中心温度75℃5分以上の加熱により病原性が失われることが確認されていることから 、一度凍結したのちに喫食したり、加熱調理することにより食中毒は防止できると考えられています。
また、農林水産省及び水産庁では、食中毒防止策として、ヒラメの養殖場での適切な管理により、クドアがヒラメに寄生することを防止する取組みを行っており、食中毒数は低下しています。

 

まとめ

 

食中毒について、基本知識をご紹介いたしました。
食中毒の症状は、ほとんどが、下痢と嘔吐または発熱を伴います。重い腹痛がある場合は、感染性胃腸炎などの重い症状が考えられるため、すぐに医療機関を受診しましょう。
セルフケアで対処できるのは、暴飲暴食、過剰な飲酒など原因がある程度推測できる腹痛・下痢・嘔吐です。そのような場合は、まずは、セルフケアで対処してみることも大切です。しかし、1~2日安静にしても症状がよくならない場合は、医療機関を受診してください。
食中毒が疑われる場合は必ず医療機関で診察を受けることが基本です。
早急な治療が必要なケースは次の通りです。
●下痢が1日10回以上起こる。
●下痢便に血液が混ざる。
●嘔吐が止まらない。

●粘膜の混じった便
●色が普段と異なる便(黒、白、緑、赤など)
●長期にわたる下痢や血便
●体がフラフラする。
●意識が遠くなる。
●尿の量が減る。尿が12時間以上出ない。

いずれにしても、感染しない予防が大切です。

 

では、毎日元気に過ごしましょうね。

そして健康寿命を延ばしましょう。

持続的に健康を維持するための三本柱は、

1. 体に適切な栄養を与え、

2. 定期的に運動をし、

3. 日常的なストレスを解消する努力を怠らないことです。

この三本柱を実践する健康方法をいろいろな視点からお伝えすることのが本サイト使命です。

では、最後までお読みくださり、ありがとうございました。

健康ネットサンク     代表ノマー

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